バラは世界に2万種以上あると言われています。そのなかでも、ダマスクローズは「バラの女王」として古くから人々に愛されてきました。
数あるバラのなかでもっとも香りが良いとされることからダマスクローズは「バラの女王」と言われています。あのクレオパトラもダマスクローズが大好きで、お風呂に入れたり、ベッドの周りに敷き詰めたりして香りを楽しんだと言われています。
ダマスクローズは5月下旬から6月上旬にかけて花を咲かせ、
一年のうちたった20日程度しか咲きません。
この時期、午後にスコールが降り翌朝は晴れるという独特の気候になります。
このスコールこそが、香り高いバラを育てる最も大切な条件となります。
ダマスクローズは香りが良いバラとして知られていますが、その香りは開いた花よりもつぼみの方が良いといわれています。その理由は、つぼみの方が香りをいっぱい蓄えているから。
花が開くと香り高い成分がどんどん外へ逃げてしまいます。そのためダマスクローズは朝早く、太陽が昇る前に収穫されます。つまりバラがまだつぼみで、たくさん香りを蓄えた状態で収穫されるのです。
ダマスクローズの花からは「水蒸気蒸溜法」という方法でローズオイルを採ることができます。
水蒸気蒸溜法とは、釜でバラの花と水を煮詰めてオイルをつくる方法です。
水と花しか使わないので、できたローズオイルは肌に塗っても口に入れても安全です。この方法でつくられたローズオイルはとても貴重で、約2,600本からわずか1gしかとれません。
非常に高価なことから、ローズオイルはプラチナよりも高価と言われています。
ローズオイルができる時、ローズウォータ(バラ水)というローズのエキスが
溶けた水も一緒につくられます。
収穫
一つ一つ手で丁寧に収穫されます。
収穫できるのはは朝の5時ころから8時ころまでだけ。花が開くとバラの香りが逃げるので、花がつぼみの間に収穫をおわらせます。
運搬
収穫した花は、ローズオイルの抽出施設に
運ばれます。
抽出
抽出施設に到着すると、花びらは釜の中に入れられ水蒸気蒸溜法という水と花だけしか使っていない抽出方法でローズオイルがつくられます。
ローズオイル完成
出来上がったローズオイルは寝かせることで香りがまろやかで芳醇になるそうです。
品質確認
出来上がったローズオイルは香りや品質を確認するためブルガリア国立バラ研究所に運ばれます。厳しいチェックをクリアしたオイルだけが品質保証書をもらえます。
店頭に
ローズオイルは石鹸や化粧品などに加工され、商品になります。
ローズオイルは、抽出したてのものより、しばらく寝かせたもののほうが香りが良いとされています。
そのため、ローズオイルは60日程寝かしてから出荷されます。
できたてのローズオイルはとても新鮮なため少し青臭さがありますが、60日寝かしたローズオイルはとてもまろやかで深みのある香りです。
また、ローズオイルはきちんと管理すれば腐ることはありません。100年前のローズオイルからも芳醇な香りがします。
ローズオイルは「クンクマ(コンクマ)」という容器で保存されます。
ローズオイルやローズウォーターは化粧品や石鹸、シャンプー、ハンドクリーム、香水などさまざまな商品に使われています。
最近ではサプリメントとしても多く使用されています。
ローズオイルやローズウォーターは体に良いはたらきをすると注目されています。
ローズオイルをとった後の花の搾りかすは、乾燥されて、肥料に生まれ変わります。
肥料になった後は、畑の土に混ぜられ、ダマスクローズの栽培に役立てられます。